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第41話 ルナツー防戦

 ギレンは驚愕した。そして、彼ははじめて月のキシリアの基地”グラナダ”へ降りたった。
 連邦軍がルナツーへ進行してきた事と、シャリア・ブルが討たれた事。この二つは、重要な意味を持つ。
 「連邦の進撃作戦が整いつつある事と、もう一つは、新しい人類が生まれつつあるということだ。シャリア・ブルの予知能力は、未来を洞察するために必要なことだ。新しい、進歩が連邦から始まる。これは、許せぬ。シャリア・ブルの部下たちの中から、そのニュータイプを選りすぐった部隊を、ガンダムにむけねばならぬ。」
 「シャア大佐は、すでに、その用意をしております。」
 「ならば、打倒ガンダムはシャアに任せよ。貴下は、ルナツーに集結しつつある地球連邦軍の殲滅を!」

 キシリアは立った。三隻の新型戦艦”グワジン”宇宙空母”ドロス”。そして重巡チベ。ムサイ等の艦隊の発進である。

 Wベースには、極秘指令がルナツー指令のハムスキー提督から届く。ルナツー近くの隕石群集積エリアに潜み”ドロス”を撃てと。
 同時に、キシリア艦隊は偵察隊に勇将ダルを出撃させた。モビルスーツ”ガッシャ”の”山越えハンマー”という恐るべき武器。それに二機のグフ・タイプ。
 隕石浮遊帯で、Wベースはダルにキャッチされていた。
 セイラは、自分をふっきるためにガンタンクで出撃さえする。カイのガンキャノン。ハヤトはGパーツで援護するものの、”ガッシャ”の山越えハンマーは、隕石の影から、味方機を狙い撃ってくる。
 アムロはセイラの危機に、ついに、波のあの能力”危機の予知”する力を発揮してセイラを救うと同時に”ガッシャ”を殲滅した。

 そして、ルナツーの連邦軍艦隊が発進した。
 ガンダムの量産タイプ”GM”と、ジオンのモビルスーツが宇宙に激突する間、ガンダムとWベースは、”ドロス”の腹に潜り込んで、これを殲滅した。

 キシリアは、艦隊の損傷を恐れて、撤退をした。
 アムロは、セイラの病室を見舞いに行った。
 「あなたは、私の危険を先読みしたのではないのかしらね。・・・・以前、マチルダさんが言っていたわ。あなたは、エスパーかも知れない。」
 「そう決めつける理由は、なんです?ひょっとしたら、セイラさん。あなたも、ニュータイプなのですか?」

第41話 補足

 「キシリアの基地”グラナダ”へ降りたった」 グラナダの攻略のエピソードは、完全に抹消されている。

 「新しい、進歩が連邦から生まれる」 
放映時には、最後までギレンはニュータイプに対して懐疑的であり、キシリアがギレンを討つためにニュータイプを集める、という図式に変更されている。

 「新型戦艦”グワジン”」 
従来のジオンの戦艦が用いられており、新型艦は登場しなかった。

 「ハムスキー提督」「勇将ダル」 
登場せず。

 「ガッシャの山越えハンマー」 
同じく登場せず。障害物の影から敵を撃破することを目指して作られたMS。

第42話 グラナダへの道(シャアの敗北)

 セイラは、シャア金をみんなに分けた。自分も一枚記念として。
 「これに、兄への惜別をこめて!」と。

 ルナツーで補給を受けるWベース。アムロは、Gスカイを発進させる。と、そこにアムロは、”エルメス”を見た。
 それは危険な信号だった。アムロはっ撤退する。
 と、シャアの自ら操縦するモビルスーツ、”キケロ”が襲う。
 アムロは、ララァにおびき出されたのである。
 シャアは、”キケロが”の絶対的なパワーをもってしても、ガンダムを討ちとれぬ事を知る。
 土壇場でガンダムに逃げられるのだ。
 しかし、アムロの方も、シャアが見る程に強くはなかった。ガンダムの機動力が、アムロの反射神経に付いていけなくなったのだ。メカニズム的に・・・。
 アムロは引き退き、”グラナダ攻略”に向かうWベースに合流する。

 そこに一人の男が待っていた。モスク・ハン博士。
 ”帯電磁波の工学的応用”の権威である。つまり、ガンダムのメカを、電磁で包み、より早く、なめらかに動かす手当をしようというのである。
 「ジオンのソフィアという男の理論を、君の父上が流してくれてな。」
 「父は、生きているのですか。」
 「フラナガン機関に殺された。これは、確実だ。」
 モスク論理の応用は効果絶大であった。シャアの”キケロガ”を殲滅することができたのだ。
 シャアは、危機一髪の処、ララァの”エルメス”に救出された。
 シャアの防衛戦は、破られ、連邦軍の艦隊は、グラナダへむかう。
 セイラは、シャアが救出されたらしいのを残念に思う。ブライトに言う。
 「兄は、鬼子です。」
 その本心かららしい言葉に、ブライトは、セイラへのわだかまりが消えていくようであった。

第42話 補足

 「キケロガ」  未登場機。MSかMAか、はっきりしないが、オールレンジ攻撃か、それに類する戦い方が可能な機体としてイメージされている説がある。

 「父は、生きているのですか?」  
この時までテム・レイは、研究を続けていたことになっている。また彼の死についても、はっきりと明言されているのが興味深い。

 

第43話 グラナダ攻略

 シャアは、自らのザンジバルを半身不随にしつつも、連邦軍の2隻の艦隊を沈めて、グラナダへとたどりついた。
 連邦軍の攻撃が始った。
 Wベースも、その中堅を担い、グラナダに攻撃をかける。
 ララァも、出撃するという。シャアは止めた。
 「戦場を知れ。それに、エルメスの力は、ドグが出来てはじめて、お前の能力ともども発揮される」

 キシリア指揮する重モビル”アッザム”もシャアの手のにかかると、計量モビル・スーツ以上に動く。連邦の”GM”の大半を殲滅した。(アッザム改。2機か3機)
 Wベースは、その盾となるべく前進する。

 ハヤトもカイもセイラも奮戦をする。
 アムロもだ!ハヤトの決死的な活躍が、”アッザム”の弱点を発見する。
 ガンダムは、総力を決して、ガルバルディを殲滅した。

 その時、キシリアは、シャアに言う。
 「生き延びられるとは思えぬ。恨みをはらすなら、剣の一太刀とも、私にくわえたらどうか?」
 「知っていたのか?キシリア?」
 「ジオン・ダイクンの忘れ形見、キャスバル・ダイクン。もっとも、私は、お前さえ、使って、兄のギレンを倒そうと考えていたんだがね。」
 「お言葉に甘えさせて貰おうか!」
 シャアは、キシリアを刺した。

 そして、シャアは、2度まで、ララァに救出されて、グラナダを脱出する。

 ギレンは、歯ぎしりをした。
 「月が墜ちた!?」
 デギンは、ギレンを呼ぶ。
 「和平の潮時と思うが・・・。」
 と。
 「すでに遅すぎろ。同時に、私の得た情報によれば、連邦軍の力も、月までです。ジオンに進行するには、時がかかりましょう。」
 彼の自信は、シャアの生還!の事実と、もう一つの計画による自信に裏づけられていた。

第43話 補足

 「ドグ」 ビットの原名

 「アッザム改」 本編には登場せず。第18話に地上で登場したアッザムその物が、宇宙トーチカを改造したようにも思えることから、登場してしかるべき機体と言えよう。

 「ガルバルディ」 未踏嬢MS。後にMSVでギャンとゲルググを発展させた機体に、この名称が用いられている。「機動戦士Zがンダム」に登場したガルバルディβは、さらにそれに手を入れた機体である。

 「シャアは、キシリアを刺した」 シリーズ短縮にあたって、富野監督はここに紹介したプロットから要旨を集めるようか形で再構成にあたり、このエピソードを、シャアのラストエピソードとして選択した。

第44話 エルメスのララァ

 グラナダを占領した連邦軍兵士の間に、恐怖が拡がった。
 モビルスーツのパイロットが、ジオンの小型モビルスーツの前に”悶死”するという恐怖である。
 Wベースも、その恐怖の声をキャッチした。
 「ララァ?・・・ララァ?・・・」
 それは、唄のようでありながら、恐怖を伝える。
 それは、連邦軍の新型戦艦”アメリゴ”が撃沈された時の叫びであった。
 「シャアの処にいたララァか?」
 アムロは、出撃した。いや、ひかれた、というのが正しいのかも知れない。

 セイラは、ミライは、アムロのその行動が、アムロにとって、連邦にとっての危機と悟る。
 ミライとセイラの勘が複合した時、少なくとも、アムロの危機だけは察知できたのだ。
 セイラは、カイ、ハヤトを促してアムロを追う。
 ミライは、ブライトに、彼等の行動の身勝手さを認めさせた。
 そう、危機なのだ。

 ガンダムは、エルメスと連動する”ドク”に攻撃され、全くのピンチにたった。
 セイラの死をかえりみぬ攻防の中、ガンダムは立つ!アムロは”ドク”を操るエルメスの本体を、地中に見たのだ。

 ”ドク”数体を殲滅して、セイラを救出したアムロは、地中にひそむエルメスに向かう。
 そこには、ララァの狂暴が待つのだった。
 セイラは、重傷を負いつつWベースへ帰還する。
彼女の再起はあり得るのか?

第44話 補足

 「新造戦艦”アメリコ”」 登場していない。

 「エルメスの本体を、地中に見たのだ」 月の地中を目指す。予定では、ララァとアムロの戦いは、地中基地の中で繰り広げられる予定であった。

 「セイラは重傷を負いつつ」 彼女の重傷については、全て削除されている。

 

第45話 遭遇!ララァ

 月の地中を通して攻撃するという事があり得るのだろうか?
 考えている間はなかった。Gブルの装甲を通して、アムロはララァのエルメスが、アムロ自身にターゲットを絞っているのを感じ取っていた!

 一方、ギレンとの会談を終えたシャアは、ララァを追う。
 半エスパーであるバッカデリアを従えて。
 彼は、シャリア・ブルの部下であったという少年である。(モビルスーツ”ガルバルディ”)

 カイ、ハヤトは、シャア、バッカデリアの防衛戦を張る。

 地中深く、ガンダムとエルメスは対決する。その斗いは、憎悪なのか?正義なのか?
 理由は見出せぬ。その戦いの虚無さが、二人の意識の合流が。二人の間に調和を生んだ。
  ”二人の戦いこそ、人の歴史なのだ!”
  ”人が越えるべき歴史なのだ!”
  ”では、次に、人は、何に期待できるのか?”
 二人の疑問さえも、調和した。
  ”一つの時代を超えた時、人は、また、新しい人になる。”
 二人の推論は明確に調和した。
  ”あるのか?人が、今以上に賢くとなる可能性が”
 二人の推論が、一つの未来をかいま見る。
 〜力、示せよ。次なる人は、その力、見て、範とする〜
  ”神の声なのか?”
 二人して疑問を発した時、

 バッカデリアが侵入する。
 「共に死ね!ジオンにとって、ララァは裏切りとなる!」
 その叫びをシャアが訊く。その真の意味は、シャアとて判らないが”さもありなん”と思うのだ。
 ララァは、違う人間なのだ。そして、そのララァと斗い得るアムロも、ララァと同種の人間なのかも知れぬ。シャアの想像は当たっていたのだ。
 「シャア大佐!ララァは危険です!私にはきこえた。敵の少年とざれ合うララァを!」
 パッカデリアのガリアブに、カイ、ハヤトらは奔弄されているものの、このパッカデリアの驚きの隙をついて、”ガルバルディ”のパッカデリアは散った。

 シャアは、自らの”ガルバルディ”を操り、ララァに言う。
 「お前の指図に従う。私は、ガンダムを討ちたい。」
 ララァは、絶望した。
 「今、斗っている少年は、私の敵ではない。仲間なのに!」
 ララァは、兄とも思うシャアの要求を、はねつけることはできなかった。

 今や、三者の血みどろの斗いが、地中を抜けて続けられた。
 しかし、人間の悲しさ。ララァの能力に連動するように造られたドグと違って、シャアはララァの予知に答えることが出来ない。
 シャアは、切歯扼腕する。その焦りが、アムロのつけ入る隙だった。
 シャアの”ガルバルディ”を討つ。
 時!
 ララァは、アムロに、瞬間の憎悪を持つ。シャアを、三度、救いつつ、ララァは、猪突した。
 アムロは、エルメスにとどめを刺した。
 シャアを救わんがために、ララァは、散った。

第45話 補足

 「パッカデリア」 シャリア・ブルの部下にかんする部分は、すべて描かれることはなかった。しかし富野監督は、彼等が登場しなかったことにより逆にドラマが集約され、結果的には良かったのではないかと述懐している。

 「”かみの声なのか?”」 アムロとララァの感応シーンについて、富野監督は記録大全集第2巻に寄せた「演出ノォト」の中で、以下のように述べている。これは当時の監督が抱いていた、ニュータイプの定義と言ってもよいであろう。 
 「人同士の思惟が、直結する手段が発見されれば、人と人のコミュニケーション(意思の伝達)の中に誤解の発生することがない。さらに、誤解が発生しなければ、その通じ合った意思とか考え方が重なり合って、相乗効果が増幅されるのではないか?と、考えたとのことだ。
  思考の相互効果!これは、すごいと思う。
 オールドタイプの個人の考え方の、二倍も十倍も想像力とか洞察力が拡大するんじゃないか、と想像したんだ。
 それが、アムロとララァの会話だ。」
 増幅された思惟、それは神の声にも等しく感じるに違いあるまい。

 「敵の少年とざれ合うララァを!」 ここではパッカデリアが口にしているが、本編ではこの意味の言葉をシャアが口にしている。その結果として、より一層アムロとシャアの関係が明確になり、これを含めて前述のシャリア・ブルの部下を登場させなくて良かった、という発言が富野監督から発せられたと思われる。

 「パッカデリアのガリアブ」 本編未登場、詳細不明。しかし、文章からビットのような遠隔攻撃兵器ではないかと推察される。


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