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第46話 デギンの降伏

 ララァと調和してみせたあの”夢”に、アムロは疲労した。
 病床のセイラのもとに、一つの花束(!)が届けられた。シャアからである。
 フラウは、ハヤトやカイの手当に精一杯であった。もう、アムロは、遠い人のようだ。

 傷ついて帰還したシャアは、はじめてギレン・ザビと会う。
 「マスクをとらんのか?無礼だな。」
 「目が弱いのです。それに、醜い顔をみせたくはない。ひどいのです。」
 「どこで会ったのか?」
 ギレンは、シャアの物腰に、そう思う。
 彼は、シャアが、ララァ、パッカデリアらを中心とした部隊編成の真の意味を洞察していた。
 「・・・それが破られたというのは、重大だな。」
 「はい。ソフィア博士の研究機関を通じて探しだしても、数人しかいなかったエスパー達です。私自身、ララァに巡り会うのに数ヶ月必要としたのです。」
 「ガンダム・・・、と言ったな。連邦のモビルスーツ。」
 「はい。そのパイロットが、ララァと同じ種類の人間だったという事は、不幸でした。」
 「俗物の私にも判る。これは、危険だ。」
 「シャリア・ブルの部隊・・・もう居ませんか?総帥。」
 「ダルダン。キシリアの特殊部隊だった男だ。同じ、種類のな。しかし、かなりおちる。」
 「パワーで対抗しましょう。総帥のゲルググと、ジオングはすでに最終テストを終わっているはずですが?」
 「良く知っているな。シャア・アズナブル。・・・なぜ、ムキになる。指揮官らしくもない。」
 「ガンダムとは因縁です。」

 連邦軍は、戦力がのびきっていた。
 月では、ジオンの残していった物により補修工事が続き、Wベースに、ジオン制空圏内偵察命令が発せられた。

 Wベースが、ジオンの制空圏内に入ろうとする時グワジンタイプの艦”デギン”に接触をした。
 すわ、会戦!?
 ”和平交渉のルート発見のため、艦長の労を求む。”
 二艦は接触した。
 なんと、デギン・ザビその人がWベースに移乗して、ブライト以下の人々に会う。
 従うは、文官でありデギンの秘書クスコ・アル!
 ブライトが真の意味で惚れた女性である。

 公式の会談の後、デギンは、セイラを指名して、別室で語り合う。
 「アルテイシア殿である事は判る。話し方が、母上のトア殿にそっくりだ。
  あなたの、父上である、ジオン・ズム・ダイクンが、増えすぎた人類をこれ以上放置してもいけないと、選ばれた人々による地球連邦の管理を考えつかれたのだ。私はそれに賛成したからこそ、ジオンに継いだのだ。が、その後、私のやり方に反対する人々もあらわれ、確かに、私は、ダイクン派を追放した。やむを得ずな。」
 「奴隷制度を復活し。ザビ独裁を目的となさったからです。父のやり方とは違います。」
 「ギレンが、いけないのだ。甘やかしすぎた私も、いかんが・・・。」
 「種をまかれたのは、あなたでしょう。」
 「そうだ・・・人を殺す。これは、痛いことだ。」
 戦艦デギンを連邦に向かわせようとした時、ギレンの和平ならじとする意を呈したタブローの”キケロガ”部隊が、デギンを強襲した。

 大部隊である。ガンダム・チームの活躍。そして、
 「も、もはや、これまで。恨みがあるなら、アルテイシア、私を討て!」
 「わ、わたしは、兄のキャスバルとは違います。シャアと偽ってまで、私恨を晴らしたくありません!」
 「シ、シャアァ・・・・」

 デギン死亡。グワジンタイプもキケロが部隊と共に散る。
 その中で、ブライトは、クスコ・アルを救出できたことを、神に感謝した。

第46話 補足

 「シャアは、初めて、ギレン・ザビと会う」 両者が会話するシーンは、ついに映像上では描かれることはなかった。けれども、このときの雰囲気が第41話「光る宇宙」における、シャアとキシリアの会話に生きている。

 「”デギン”に接触した」 デギン・ザビの専用艦、本編登場時にはグレートデギンと改名されている。

 「クスコ・アル」 本編には未登場。しかし小説において、ララァに匹敵するニュータイプの素質を持つ少女に、この名前がつけられている。

 「タブロー」「”キケロガ”」 未登場

 「デギンは、セイラを指名して別室で語り合う」 カットされたシーンではあるが、シャアを語る上においては、非常に興味深いエピソードと言える。

第47話 ジオン最終兵器を探れ

 ブライトは、クスコ・アルの怪我に眠れなかった。むろん、充分に眠れる状況ではなかったが・・・。数十個の偵察ロケットは、ジオンの四十二のコロニーの間に放出してある。
 その情報が、逐一入ってくるからだ。

 アムロは、クスコ・アルは危険だ。と、ブライトに忠告する。
 「あの人は、スパイだと思う。」
 ブライトは、それを無視したかったが、アムロの能力は知っている。
 「気をつけよう。アムロ。」

 そしてWベースは、ジオンの中に、不確明な宇宙船の動きをキャッチする。
 アムロたちが、偵察隊として出動する。
 そして、38バンチのサイドから、無数と思える慣性宇宙船が発進するのを目撃した。
 「ほら、よく言うじゃない。歴史で習った、民族大移動って、こんなこと言うんだろうな。」
 アムロとハヤトそれに、カスバル・ベイリーは、驚嘆した。その宇宙船(小型ばかり。中には巡洋艦クラスもあるが)は、古い型のサイドへと吸い込まれていくのである。
 クスコ・アルは、それがどう言う事か、知らないという。
 結局、宇宙船が一番移動したサイドに侵入して、実体を知るしかなかった。

 アムロとハヤトは、ロケットの墓場と言える処に、Gブルを隠して潜入する。
 そのサイドは、一番、古いタイプのサイドで数年前に放棄されたものであった。

 そこには、不満が渦まいていた。
 「なぜ、急に移動させられたのか?強制疎開なんて・・・。」と
 ジオンの国民にも知らされていないと知ったアムロたちは、(兵隊にきいてみたりもする)38バンチに潜入する決意を固める。

 が、38バンチは、強力な軍が展開していた。
 アムロたちは、発見され、新鋭モビルスーツ”ガラバ”に追われる。

 ”ガラバ”の強力なパワーに接した時、アムロは思った。よほどのパイロットのはずだ。”移動させた理由くらい知っているかも知れない”
 アムロは、未知のパワーに接しつつも、なんとかパイロットを捕らえたいと思う。
 それ故の結果の果て、アムロは、パイロットを捕らえた。
 アムロの予測は、当たっていた。
 しかし、彼は言う。
 「ソーラ・レイ作戦と名付けられてはいるが、実態は知らん。」と。
 クスコ・アルも知るわけはなかった。
 「防御線をはるにしても、けっして、得な位置ではないはずだが?」
 ブライトは、疑問に思う。

 そして、Wベースは、伝令を乗せたロケットを連邦軍の前線基地へ発進させた。

 シャアは、己の新モビルスーツ”ガラバ”の受領にいく。
 それは”ゲルググ”とさらに”ジオング”というニュータイプのモビルスーツの性能を知るためでもあった。

第38話 補足

 「38バンチ」 本編では、サイド3の第3バンチがソーラレイに改造された。

 「新鋭モビルスーツ”カラバ”」 未登場。

第48話 ジュピター船団を撃つ

 シャアは、ギレンに上申する。
 「ゴラの前歴を調査しました。ダルダンよりすぐれたニュータイプです。ゲルググに乗せるのは彼になされてはいかが?」
 「ゴラは、戦斗員ではない。シャリア・ブルに続く指揮者たる男だ。ゲルググには乗せたくはないな。」
 シャアは、ギレンを本当に俗物だと思う。ソーラ・レイの計画を話したときから、ギレンは連邦に勝利するつもりでいる。
 「しかし、国民を苦しめすぎる国家が勝ったためしがない。戦後の政治を自分で治めるつもりでいる。」
 シャアは、ギレンをもう殺そうと思った。
 しかし、ゲルググにしても、ジオングにしても、ガラバにしてもだ。ガンダムを倒すための最有力モビルスーツだった。ギレンの力をもってして、はじめて製作し得るモビルスーツだ。
 ガンダムを倒し。アムロに対して快哉を叫びたいと思う。ギレンは、すでに、いつでも倒せるのだ。
 「俗物は俺かも知れん。仇討ちにこだわり、子供に対しての競争心が、いまだに消えんとはな。」

 ヘリウム3を運ぶ船団が木星から帰還する。その殲滅は、現在のジオン軍の三分の一の戦力減を意味する。
 Wベースのもとに、マゼランタイプ二隻。計一三機のモビルスーツと共に、木星船団に襲いかかる。(このタイム・ラグを連邦はついさっきキャッチした、として)
 クスコ・アルは、動揺した。伝令用ロケットを盗み、ジオンに知らせる必要があったからだ。連邦軍は、これを期に、ジオン総攻撃に向かうだろう。

 クスコの脱出。ブライトは、自らクスコを追うはめに陥る。これは不幸だった。
 Wベースは、旗艦のジャワの指令で動けば良かった。
 艦長代理はミライ。

 ブライトは、クスコを射殺する。

 一方、木星船団を襲う連邦の三艦の前に、援軍としてのダルダンの”ゲルググ”が防戦にあらわれる。
 戦斗一過。ゴラは、見抜く。ダルダンではゲルググを圧かい切ってはいない。
 彼は、戦斗の途中で、ゲルググに移乗しようとする。
 しかし、ガンダムは、早かった。
 ゲルググを殲滅する。

 が、この時、アムロは、ゴラの意志の刺激に戦慄する。
 「ララァの再来か?」
 その恐怖が、アムロの意志を開花させる。
 彼は、ニュータイプになりつつある。

第48話 補足

 「ジュピター船団」 ガンダムの世界のエネルギー源は、そのかなりのパーセンテージを木星から輸送しているヘリウム3に依存している。そのため後の作品でも、何度か同様のものが登場している。ちなみに南極条約により、この船団を攻撃してはならないという設定が後に作られたが、このプロットを記したときには、このような発想はなかったのであろう。なぉ、木星の摂取基地がどのような形態で運営されているかは不明。「機動戦士Vガンダム」のときには影で糸をひいて、地上の人類を抹殺しようと企んでいる。

 「ゴラ」 パッツカデリア同様、登場することのなかったニュータイプ。

 「仇うちにこだわり」 第38話のセイラとの会話が示すように、本編における再登場後のシャアは、明確にザビ家への復讐心を失っている。

 「ダルダン」 登場せず。

第49話 ソーラ・レイ パート1

 ゴラは、破壊されたゲルググの中から脱出した。

 ギレンは沈痛であった。しかし、ゴラはいる。
 「私は嬉しい。起死回生の作戦、試してみる時がきたようだ。」
 シャアは、ゴラは面白くない存在だと思ったが、すぎ、それは現実のものとなった。
 「シャア・アズナブル?嘘だろ?キャスバル・ダイクン?」
 ゴラは、こともあろうことに、ギレンの前でそう言ったのだ。
 しかし、今のギレンにとって、それが、何の意味を持つのだ?シャア大佐は、間違いなく苦戦のジオン軍にあっては、スターであるのだ。彼にガラバを与え、ゴラに”ジオング”を与えて、連邦は充分に叩く事が出来る。

 連邦軍が、月の裏に出てきた処で”ソーラ・レイ”が発動する。ギレンは決した。

 Wベースは、敵前ともいえる処で補給を受ける。連邦軍が動き出し。数時間後には、ジオンの制空圏に入るというのである。補給は急がれた。
 と、その時であった。宇宙に光が走ったように感じた。見えるわけがないのに!
 そして、月の裏に集結した連邦軍宇宙攻撃隊が殲滅された!大半!
  (これを表現するストーリーが要るわけだ)

 Wベースとジャワ(マゼランタイプ艦)、補給艦が真にとり残された。

 ギレンは狂気した。
 「連邦の戦力の半分を一瞬に灰にした。残る半分のどれ程がジオンにたどりつけるか!
  ゴラ、シャアらに申しつける。残存兵力を叩け!ジオンの勝利ここにあり!」

 シャアは、Wベースと接触したかった。しかし、ゴラがまずWベースと接触した得た。

 ジオング対ガンダム
 アムロ対ゴラ
 二人のニュータイプは、わずか30秒の予知能力を全開して斗った。

 そして、アムロは勝った。
 憎悪だけに支えられた予知能力(プレ・コグニション)は、憎悪を増幅させるだけだ。
 アムロは疲れ切ってゆくと共に、怒りと願望が生まれる。
 これは、ニュータイプの人間のやる事ではない!
 アムロは、断定した。ララァとの事は違った。調和があった。

第49話 補足

 「見えるわけがないのに!」 本来、ソーラレイが発するレーザービーム自体は見ることができない。小説中でも、そのように描写されている。しかし、アニメにおいては、映像的な効果が優先され、宇宙を貫く憎しみの光として描かれた。

 「わずか30秒の予知能力」 映像ではニュータイプの先読みの能力は、思惟の流れを読んだものであり、予知能力とは異なった位置づけがされている。

第50話 ソーラ・レイ パート2

 憎悪を生むものととは、一体何なのだ。
 戦争状態そのものだ。戦争さえなければ、これ程までの憎悪は、あり得ないだろう。

 レビル将軍が宇宙に復帰した。なぜ、連邦軍が殲滅されたのか?まず、それを知ることが第一である。
 アムロは、38バンチに謎があると向かう。
 シャアが待っていた。ガラバで。

 アムロとシャアの戦いの中、アムロは、”謎”をつきとめなければならなかった。

 残存兵力を糾合したレビル将軍麾下の戦力が侵攻しつつあるからだ。
 「私には、ニュータイプの素質があっても、俗物故に、その能力が発揮されんのだ。これで、奴に勝てるのか?」
 これは、シャアの不安であった。が、技量全てでアムロのガンダムに対抗する。これだけをとっても、シャアはニュータイプと言えた。
 でなければ、この二人、こうも戦い続けられるわけがなかった。
 二人は、共感している。

 そして、遂に目撃する。ソーラ・レイの第二弾が発射されたのを!

 38バンチのサイドそのものが、太陽エネルギーを内包して、そして、一方に放出する。
 ただ、それだけの事であったが、その規模が絶大である故に、レーザー砲とも化すのであった。

 レビル麾下の戦力は、一瞬にして消失した!
 レビル将軍も消えたのだ!
 アムロは絶叫した!シャアもやりすぎとは思う。
 そのたじろぎが、シャアを敗北させる事となった。
 ガラバは破壊された。シャアは?
 彼は生き残る。が、セイラには判っていた。シャアはすでに死者に等しいと!

 なぜ、判るのだ?セイラ?そう、セイラもニュータイプ。

 アムロたちは、ガラバを討った勢いにのって、38バンチを破壊した。

第50話 補足

 「シャアはニュータイプと言えた」 ララァのような形でのシャアのニュータイプ能力の発露は、考えていなかったと思われる。

 「ソーラ・レイの第2弾」 本編においては技術力的な問題から、1発しか打てないことになっている。これはストーリーを短縮せねばならなかったためでなく、切り札は一回のみの方が緊迫感を漂わせると判断したためであろう。

 「シャアは、すでに、死者に等しいと!」 本編においても、ララァの死後のシャアは死者に等しいといえる。再び生を得るための行動が、キシリアの抹殺だったのかも知れない。だが「Zガンダム」の迷えるシャアは、それだけでは彼が魂を取り戻せなかったことを示しているとも解釈できる。が、それはまた別の物語である。


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